【完結】悪魔な御曹司に心も身体も溶かされました。



 何なの……? 一体ふたりには、何があったの……?

「ねえ、莉沙ちゃん」

「……はい?」

 神宮寺社長はわたしの耳元で、わたしにだけ聞こえる声でこう囁いた。

「アイツと別れて、俺にしない?」

「……っ!」

 え……? な、何でそんなこと言うの……?

「俺、莉沙ちゃんのことひと目見ていいなって思ったんだよね。俺のタイプド真ん中」

「…………」

 この人、本当はチャラいのでは……? 本当はただわたしを口説きたくて、光星さんのことを悪く言ってるだけなのかもしれない。

 するとその時……。「おい。汚い手で莉沙に触るな」と後ろから声が聞こえた。

「光星さん……」

 なんてタイミングで来てくれるのだろう……。今来てほしいなって思った時に、ちゃんと来てくれるのだから。

「なんだ。戻ってきたのかよ? てっきり帰ったのかと思ったのに」

 と、神宮寺社長は残念そうに言った。

「ふざけるな。莉沙から離れろ」

「はいはい」

「莉沙、こっちに来い」

「……あ、はい」
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