【完結】悪魔な御曹司に心も身体も溶かされました。



「……あの、ひとつ聞いてもいいですか?」
 
 わたしは恐る恐る、聞くことにした。

「何だい?」

「光星……いえ。聖川さんとは、同級生で……。一緒に生徒会役員をやっていたんですよね?」

「そうだよ。聖川が生徒会副会長で、俺は生徒会書記係だったんだ」

 と神宮寺社長は言った。そしてソファから立ち上がると、そのまま窓から外を眺めた。

「おふたりは、仲が良かったんですか?」

 と聞くと、神宮寺社長からは意外な言葉が返ってきた。

「良かったよ。……親友だった。あの時までは」

「……あの時?」  

 その言葉の意味は、どういう意味なのかわたしには分からなかった。

 だけど気になるのは、この゙だっだという言葉だ。だったということは、今は違うということだよね……?

「ある日を境に、俺たちは親友ではなくなったんだ」

「……それは、どうしてですか?」

 聞いてはいけない気がした。だけど、どうしても知りたかった。親友だったふたりが、こんな風になってしまったのか。
< 85 / 125 >

この作品をシェア

pagetop