【完結】悪魔な御曹司に心も身体も溶かされました。



「莉沙ちゃん、現実を見たら悲しくなるだけだよ? 君は、聖川とじゃ幸せになれない」

そう言ってわたしの頬に触れた神宮寺社長。そして神宮寺社長は、そのままわたしを見つめた。

「そんなこと……」

 そんなことない。わたしは、光星さんのことが大好きだから、それだけで幸せなのに。

「俺なら、莉沙ちゃんのことを、聖川以上に幸せに出来る自信がある」

「えっ……っ!?」

 そして神宮寺社長は、そのままわたしを抱き寄せ、唇を重ねてきた。

「っ、やめてください……!」

 わたしは神宮寺社長の身体を押した。

「な、何するんですか……!」

 なんで、キスなんてするの……!?

「だって俺さ、奪いたくなっちゃったんだよね。……聖川の、大事なものをさ」

「大事な……もの……?」

 そう言って怪しく笑った神宮寺社長のその瞳は、冷たくて、そして冷酷な目をしていた……。まるで、光星さんへの復讐心があるような、そんな目だった。

「そう。 だから俺、莉沙ちゃんを聖川から奪うことにした」
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