【完結】悪魔な御曹司に心も身体も溶かされました。



「ところでさ」

「はい?」

 食べながら神宮寺社長の方を見ると、神宮寺社長はわたしにこう問いかけた。

「聖川ってさ、どんな風に莉沙ちゃんのこと抱くの?」

「……え?」

「聖川と何度もしてるんでしょ?……聖川って、どんな風に莉沙ちゃんのことを抱くの?」

 そう聞いてきた神宮寺社長のその目は、とても真剣で……。目を逸らすことは出来なかった。

「な、なんで……そんなこと、聞くんですか?」

「なんで? 俺、あの時言わなかった?……莉沙ちゃんのこと、奪うことにしたって」

「……え」

 あれは、本気だったんだ。わたしはてっきり、冗談で言ったのかと思っていた。……なのに、違っていたんだ。

 あれは冗談なんかではなく、本当にそうするつもりなんだ。光星さんからわたしを、引き離すために……。わざとそうしようとしているんだ。

「え、何?莉沙ちゃん、あの言葉、冗談だと思ったの?……そんな訳ないよ。本気だよ、俺」

 そう言って神宮寺社長は、怪しく笑ったのだった。
< 99 / 125 >

この作品をシェア

pagetop