風になびく君の髪





やばいぞ……何か話さないと


話さない……


「………ふふっ!」


水瀬は何故か吹き出すように笑った


え!?何!?


なんかおかしなことした!?


「な、なんで笑ってんの?」


俺が慌てて水瀬に聞くと


「なんかお互い緊張しちゃってだめだね」


まだくすくすと笑ってる水瀬はそう言う


確かに


水瀬もなんかぎこちない感じしたな


「なんか、俺ら似てるかな?
水瀬って元々人見知りとか?」


「うん、なんかなかなか馴染めなかったりする」


「あーそうなんだ、俺もそうだからなんか安心した」


「ね、光井君と2人きりなのもなんかドキドキする」


【ドキッ!】


ドキドキ?


林間学校でのワクワクとかじゃなくて?


そんなこと言われると俺もドキドキしてくる


「こうやって2人で何か作業するのって初めてだし
作業しながら2人で会話するのも初めてだからやっぱドキドキしちゃう」


「……そうだね」


あーなんだ


初めてだからドキドキするって意味だよな


俺はそう解釈して変な期待はしなかった


しかし


水瀬は続けて言った


「初めて何かする相手が、光井君でよかった」


【ドキンッ!!!】


水瀬の言葉に俺は心臓が破裂するように脈を打った


は、初めてが……俺でよかった…?


そんな……どういうこと……





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