風になびく君の髪





俺はちょっとだけ立ち止まって振り返る


すると


猛スピードの水瀬が走ってきた


「えー!!!」


俺はまた逃げるように走る


「待ってー!光井君!」


待てるか!今どんな顔して水瀬に会ったらいいかわかんねーよ!


「きゃあ!」


水瀬が急に叫んで足音が消える


「大丈夫か水瀬ー!」


俺はすぐに振り返り水瀬の元に駆け寄る



恐らくコケてる水瀬をほっとくなんて無理だろ!


水瀬は思い切り倒れていた


「大丈夫?」


「うん、大丈夫」


ならよかったけど


俺は大丈夫じゃない……




コケた水瀬を心配して戻ってきたけど


この状況まずいんじゃ??


「おい、遥香、なんだよ急に走り出して」


は、遥香!?


水瀬の横にいた男の人は水瀬を遥香と呼んだ


なんだこの気まずい状況は!!


「あああ、あの、えっと
光井君!」


水瀬はまた慌てるように俺の名前を呼ぶ


「……ん?」


「ちょっと話そ?」


………





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