風になびく君の髪
「……今言いたいこと……」
今、ひまわりに言いたいことなんてすぐに出てこない
でも
今、ひまわりに会わないと、本当の気持ちが出てこない気がした
「……ごめん、水瀬
せっかく誘ってくれたのに本当に悪いんだけど」
「………」
「俺、ひまわりのところに行ってくる」
「……うん」
俺がベンチから立ち上がると
「光井君」
水瀬は俺の名前を呼ぶ
俺は振り向く
水瀬は
俺の心の隙間を埋めるかのように
ギュッと抱きしめてきた