風になびく君の髪




そして夏休みも月日が経つ



8月2日


俺は朝から少し考え事をしていた



あの林間学校以来、ひまわりの事が気がかりになる


あいつは昔から1人だったから


俺もあいつを1人にさせたくないのかな?


親が毎日忙しいのはひまわりにとって悲しいことだから


ひまわりの悲しい顔を見たくないのかもしれない


今日は……あいつはどう過ごすんだろ?


俺は何となくカーテンを開けて窓を開く


「……げ!?」


窓を開いた先には


ニコニコしてるひまわりが部屋の窓から覗いていた



「お、お前!なんで見てんだよ!」


「ふーまだって見たじゃん」


「いや、見たけど!そんなずっと見てないだろ!」


「ふーま、今日は何くれるの?」


ひまわりは嬉しそうに俺に聞いてくる


「……俺ん家来い」


俺がそう言うとひまわりはニコッと笑って部屋の窓を閉めた


ったく!カーテンも閉めろって!




ひまわりが俺の部屋に来る


「お邪魔しまーす」


「へいへい」


ひまわりが俺の部屋に来て早速


「ほい、これあげる」

「えーかわいいー!」


俺はひまわりにシュシュをあげる


「ひまわりポニーテール出来なそうだけど
これで結んでくれ」


「ふふーん!あまいねふーま、
私、ポニーテールできるようになったよ!」


「ほんとか?
中学の頃はほとんど俺が直してたじゃんか」


「いくよー」

ひまわりは自分の髪をまとめて


高い位置でシュシュで髪を止めた


「どう?」


「えー!上手くなったなー!」


「でしょー!褒めて褒めてー!」


「だが、もうひとひねり欲しいとこだな」


俺はひまわりのポニーテールのもみあげの部分を引っ張り


そこをコテで内巻きにする

「わー!かわいいー!」


「ここまで出来たらもっとよくなるだろー?」


「うん!やってみるね!」



< 251 / 589 >

この作品をシェア

pagetop