風になびく君の髪
「………ひまわりさんって本当にすごいよね」
「………」
勝手に心臓がパニックになってる中
水瀬は安心してるかのような落ち着きのある声でそう言う
ひまわりが?
なんの事だ?
「なんで?」
俺は首を傾げて聞く
「ううん、特に意味は無いけど
ひまわりさんって本当にその"名前の通り"の人だなって思っただけ」
そう言う水瀬は少し微笑んでるようにも見えた
どういう事なのかマジでわからんぞ?
目を斜めにして考えると
「ああ、深い意味はないよ?
ただ本当に人として尊敬出来るところが沢山ある人だなーって思っただけだから」
なるほど
まあ確かにひまわりの人を巻き込む力ってのはほんとにすげーと思うな
今回のお化け屋敷とかもひまわりが居なかったらここまで成功してなかったと思うし
「あいつは昔から人付き合いが得意だからな」
俺がそう言うと水瀬は
「私には出来ないから、羨ましいなー」
染み入るように段々と悲しそうな顔を浮かべる水瀬
水瀬は…元々俺らの中学だったけど
なんで転校したんだろうな
でも、それはわざわざ聞いていいことでは無いかもしれないからやめておこう