風になびく君の髪




「あの時の私の見えてた世界は真っ暗だった
だけど今は笑っていられる
みんなと一緒に楽しく学校に居れることが
何よりも幸せだよ
その幸せをくれたのが光井君なの」


【ドキンッ!!!】


水瀬の言葉が胸に刺さる


水瀬を幸せにしたのは


俺なのか…


全然そんな気にもなってなかったけど


そんなこと言われたらドキドキが止まらない


「もし、私があの時転校してなかったら
こんなに光井君とお話出来てなかったと思う」


「……それはどうして?」


「また明日がある、明日学校で会えるからいいや
そう言ってどんどん先延ばしにしちゃうのが私の良くないところだってわかってるから
だから、あの時転校して、光井君と離れてみてわかった
私は転校してから1日も光井君のこと忘れたことなんてなかったよ」


【ドキッ!!!ドキッ!!!ドキッ!!!】


水瀬の口から破壊力のある言葉が連続で聞かされる


なんだよこの胸の痛みは……



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