風になびく君の髪




「だから…私は……」


水瀬は呼吸を整えながら


「光井君の事が………」


【パチッ!!】



「……ん?」


【パッ!!】


「きゃあ!!」


な、何が起きてんだ!?





急に学校中の電気が消えた


それと同時に学校内で叫び声が聞こえる


きっとみんなもパニックになっているんだろう


「な、なんだこれ!」


「わ、わかんない!なんで!?」


こんな暗い中じゃ…


俺は一瞬頭の中である人物が浮かぶ



ひまわり……?


ひまわりは無事か?



あいつ、絶対怖がってるだろ……!


俺は動こうにも辺りが真っ暗で何も見えない





それでも俺は立ち上がる


すると


「……待って!!」


水瀬が俺の制服の袖を引っ張った


「……行かないで」


弱々しい水瀬の声を聞いて俺は我に返る


「ご、ごめん!つい」


……つい



俺はまた…


なんでひまわりを先に心配してたんだ…?


水瀬からあんなに嬉しい言葉を貰ったはずなのに


ひまわりが頭から離れなくなってるみたいだ….




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