風になびく君の髪





私と北谷くんは職員室を出る


「すごいね、最優秀賞だって」


北谷くんが珍しく声を大きくさせて言う


「うん!やっぱすごいね、うちのクラス」


私は本心で話す


「いや、すごいのは戸塚さんだよ」


「なんで?」


「僕なんて何も出来なかったし」


「北谷くんダンボールとか運んでくれたじゃん」


「そ、そんなの誰でも出来るよ!」


「違う違う、誰でも出来るとかじゃなくて
誰よりも率先してやってくれてたじゃん」


「……それは」



私もついつい人の行動とか見ちゃうけど


北谷くんはほんとによく頑張ってくれてたなー





< 289 / 589 >

この作品をシェア

pagetop