風になびく君の髪
私と北谷くんは横並びになって廊下の窓から学校を見渡す
「夜だとちょっと寒いね」
私は何気なく言う
「ぼ、僕のブレザー使う!?」
「いいよ?そこまでしなくて」
北谷くんは優しくしてくれるってことはわかるけど
なんでそこまでしてくれるのかいつも疑問に思う
「…戸塚さんって子供の頃どんな人だったの?」
「子供の頃?」
「うん」
北谷くんが唐突に聞いてくる
子供の頃かー
「わがままで甘えんぼだったよ」
「そうだったの?意外だね」
「うん、両親が仕事で忙しいからずっと駄々こねてたよ」
「そうなんだ…」
うん、私はいつも1人だった…
……違うか、1人じゃなかったか
『ひまわり!今日も遊ぼうぜ!』
小さい頃からずっと一緒だった
私の唯一の心の支えだった
私の……好きな人
【ギュッ】
「………っ!」