風になびく君の髪
私の手をギュッと握る北谷くん
私は反射的に手を引いたしまった
「ご、ごめん!」
「う、ううん!」
謝る北谷くんに私は必死に平常心を装う
な、なに?
【ドキドキドキドキ】
ふーま意外の人にあんまり触られないからちょっとドキドキしてる
顔も熱い
「戸塚さんが…子供の頃にあった話聞いてると
本当に戸塚さんは自立しててすごいなって思う
けどそれと同時に、戸塚さんからは…なんか
切なさを感じるんだよね」
「………なんで?」
「わからないけど
戸塚さんは明るい性格で誰からも好かれてるのに
心のどこかでは、寂しい気持ちがあるんじゃないかなって
僕が勝手に思ってるだけだけど」
「そんなことないと思うよ?」
「中学の時の文化祭だって
スイーツ喫茶をやってる戸塚さんが教室の中を楽しそうに周ってたけど
君の視線には……誰も写ってなかったよ」
「…………」