風になびく君の髪
「と、戸塚さん……」
「ふーま……」
私は無意識にふーまを思い浮かべる
一瞬北谷くんの手が私の肩を触れた気がしたけど
それでも私はふーまを求める
「怖いよ…ふーま」
だってしょうがないよ
私は…ふーまが居ないと立ち直れないから
【パチッ!!】
また電気が付いて明るくなる
ああ、よかった電気付いた
校内放送を聞きつつも私はふーま達が待ってる教室に向かってる
「戸塚さん、大丈夫だった?」
「うん!」
私がふーまを好きになってから
ふーまが遥香ちゃんを好きになってから
少しだけ目の前が真っ暗に見えてたけど
今はそうじゃない
遥香ちゃんのことが好きだったとしても
私はふーまに対する気持ちに嘘はつけないから
もう少しだけ自分の足で進もうと思うの
ふーまが昔書いてくれた"手紙"の言葉を信じて
私は進んで行きたいと思う
「…………あ!!」
「え!?」
私は重要なことを忘れてた
ふーまと遥香ちゃん2人で暗闇に一緒に居たの!?
こんなことしてる場合じゃない!
急ぎ足で教室に戻る
「ふーま!遥香ちゃん!大丈夫だった!?」
教室に戻ると
ふーまと遥香ちゃんは普通に椅子に座ってる様子だった
「おう、マジでビビったけど大丈夫だったぞ」
「ひまわりさんたちは大丈夫だった?」
2人とも普通か
そりゃそうだよね
「うん、大丈夫だったよ!」
2人の顔を見るとどこか安心する
「あ!2人ともー!私、表彰式出るから見ていってねー!」
「え!?なんだよそれ!」
「なーいしょー!」
「はあ!?今言えよ!」
「お楽しみにー!」
何気ない会話でも
ふーまが居るだけで私は幸せに感じる