風になびく君の髪






仕方なしに湯山と一緒に教室に行く


何となくケータイを見てみると


ひまわりからLINEが来ていた


『先に学校にいるよー!
みんなにチョコ配ってるー』


みんなにチョコってあいつもお人好しだな


こういうのは本命だけにあげればややこしい事なしで告白出来るのにな


……ってひまわりが誰かに告白するわけでもねえよな?


「ねえ、あんた今日バレンタインってこと意識してんでしょ?」


湯山がからかうように俺に言う


「んなことするわけねーだろ」


呆れるように俺は言う


そして俺は自分の机の中を


【バッ!!!】


勢いよく覗いた


何も入ってない


…あれ〜おかしいな〜


今日ってバレンタインだよな?


確かに毎年貰えなかったけど


今年はどこかの女子から貰えると思ってたんだけどな






「チョコ無くて残念だった?光井」


また湯山がバカにした顔で俺に聞く


「お前もうどっか行け」


「まあまあ焦りは禁物だよ、非モテ君」


「お前に言われると更にムカつくな」


「大丈夫、今年は光井もチョコ貰えるから」


「………は?」


何か知ったような口調で言う湯山


それに俺は違和感を感じる


どういう意味だよそれ?


「あたしとのポッキーゲームでチョコ1個ってことー!!」


「だからいらねーって言ってんだろー!!」


友田
「ゆ、湯山ー!俺とポッキーゲームしよー!!」


常田
「そ、そうだよ!!俺としよー!!」


湯山
「キモイ」


風馬
「久しぶりの登場なのにばっさり切られた……」





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