風になびく君の髪





俺は水瀬にチョコを貰えた喜びに浸っている

そして最寄りの駅に降りる


いやー最高の気分だなー


本命かどうかはわからないけど


貰えるだけで俺は幸せだ!


「わー!!!」


「うわーー!!」



俺の背後からでかい声が聞こえる


こ、この声は



「おめーかよ!」



ひまわりだった



「待ってたのか?」


「うん、ちょっとねー」


変なやつだな


俺なんて待たなくても隣の家にいるんだからいいのに




しばらく歩く


「遥香ちゃんからチョコ貰ったの?」



「え!?」ギクッ!!


図星の俺は慌てる


な、なんでわかったんだ?



ひまわりには隠せないから


「も、貰ったよ」


「そっか」


ひまわり?


なんか無理してる時の笑顔になるひまわり


「バレンタインってね、好きな人にチョコ渡すらしいよ?」


ひまわりが言った一言に俺は胸を打たれる


『本命かどうかは、味で確かめてね』


水瀬が言った言葉が胸につっかえてる感じがする



水瀬は俺のこと……


「だからふーま、はいこれ」


「ん?」






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