風になびく君の髪
でも俺は、ひまわりにそんな事を言われたとしても
どうしたらいいかわからない
もちろん嫌な気はしない
むしろ、嬉しいと思う
けどどうしても俺は……
水瀬の事が気になってしまう
中学の頃好きだったのは確かだ
今でも好きだと思う
でもなんでだろう…
『本命かどうかは、味で確かめてね』
水瀬にこう言われた時も
ひまわりの顔が浮かんできて
なんて返事をしたらいいかわからなくなったんだ
「ふーま!」
「……え?」
ひまわりは黙りこくった俺に声を掛けた
俺はその声のおかげで意識がひまわりの方に向く
「考え込まなくてもいいからね?」
ひまわりは俺の手を取る
「私は…ふーまのこと好きだけど
ふーまが困るならもう言わない
だから……ふーまの気持ちの整理が出来たら
またこの話しようね」
ひまわりは微笑むように言う
本当にこいつは何でもかんでも人の事ばっか考えるな
自分の気持ちはどうすんだよ……
でも今の俺は……この言葉に甘えるしかなかった
「ごめん、ひまわり……言われて困るなんてことはないんだけど……
全然気持ちに整理が出来ない……
でも…全部受け止めて、いつか答えは絶対に出すよ」
「……うん」