風になびく君の髪





だからと言ってどうしたらいいかはわかんねーな


会ってごめんで済むなら楽なんだけど


本当にただ事じゃない雰囲気だしな



「私もね、口下手だから上手く気持ちを伝えられない時があるんだけどね」


水瀬は少し微笑んでるように見えた


「お花を渡せば上手く気持ちを伝えられると思うよ!」



「……花?」


俺は少し前のことを思い出す


俺が入学した次の日に水瀬は俺に花をくれた


確か白いダリアっていう花で


花言葉は【感謝】


これを貰った時、俺は水瀬の精一杯の感謝を貰えた気がした


そうか、花ってあげるだけじゃないんだ


誰かに伝えたいことを花に思いを乗せることで


その思いは形として残るんだろうな


いいかもしれないぞ





< 395 / 589 >

この作品をシェア

pagetop