風になびく君の髪
だからと言ってどうしたらいいかはわかんねーな
会ってごめんで済むなら楽なんだけど
本当にただ事じゃない雰囲気だしな
「私もね、口下手だから上手く気持ちを伝えられない時があるんだけどね」
水瀬は少し微笑んでるように見えた
「お花を渡せば上手く気持ちを伝えられると思うよ!」
「……花?」
俺は少し前のことを思い出す
俺が入学した次の日に水瀬は俺に花をくれた
確か白いダリアっていう花で
花言葉は【感謝】
これを貰った時、俺は水瀬の精一杯の感謝を貰えた気がした
そうか、花ってあげるだけじゃないんだ
誰かに伝えたいことを花に思いを乗せることで
その思いは形として残るんだろうな
いいかもしれないぞ