風になびく君の髪




私はひまわりさんの言葉の重みを一気に受けた気がした


確かにひまわりさんは光井君の幼なじみで
光井君のことは何でも知ってる


私の見えなかった光井君をひまわりさんは知ってる



悔しい……私だって光井君のこと好きなのに……


それでも光井君はひまわりさんじゃなくて他の人を好きになるんだ


………誰なんだろう、胸がざわつく





「遥香ちゃんはふーまのことどう思う?」



【ドキッ!!!!】



ひまわりさんに不意に聞かれると私は心臓が飛び出るくらいに激しく動いた



ひまわりさんは今の気持ちを言ってくれた


真っ直ぐで純粋な気持ちを



私は……それでも傷つきたくなくて



「………友達だよ」


逃げてしまった


「そっか!じゃあふーまのことよろしくね」


ひまわりさんは開き直ったように笑顔になった


「ほ、ほんとにこのまま光井君と話さないままなの?」


私が聞くと


「……うん、私はもうふーまと意図的には会わないよ」


「………そっか」


仲直りしたい光井君の気持ちと


仲直りしたくないひまわりさんの気持ち


お互い思い合ってるはずなのに大きくすれ違う


私はずるいからこのまま光井君と普段通り会話出来るけど


私はひまわりさんみたいな決断は出来ない



望みのない恋なんて言わないで……


ひまわりさんは素敵な人なんだから





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