風になびく君の髪






〜風馬side〜



「もう逃げ場はないですよ〜???」



俺は逃げ場を無くしてしまった


それは屋上から飛び出して逃げた先の逃げ場を無くしたという物理的なものでは無い


いや、物理的なものではあるけどまた別のものだ


「お、お前な!!俺を追いかけて追い詰めて何の真似だよ!」


俺の今の状況を説明しよう


屋上から走って飛び出して後ろから同じ速度で足音が聞こえたんだ


恐る恐る振り返ってみると


「風馬せんぱーーーーい!!!」



「ええええーー!!!!」



二宮さんが俺を追いかけてたんだ



その後は察しの通り学校中を走って逃げてたんだけど


校舎裏の行き止まりに辿り着いてしまって


こんな暑苦しい中で俺は二宮さんに抱きつかれている状態だ





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