風になびく君の髪






「離れろ!!」


「離れませんよー!せっかく追い詰めたんですから!
先輩最近私の事避けてますよね??
あのお花畑先輩になんか言われたんですか?」


お花畑先輩ってひまわりの事か??



「何も言われてねーよ!」



言われてないことは無いけどそう言う


「あのお花畑先輩は1番嫌いなんですよ!
風馬先輩のこと全部知ったようなこと言ってるから」


「あのな、俺の事好きなら俺の周りの奴らを悪くいうのはやめろよ」


「じゃあやめます、ひま先輩大好きです!」


「単純か!!手のひら返しすぎだろ!」


「にひひひ!本心ではないですよー!」


今まで放置していた分が暴走したかのように密着してくる二宮さん


「風馬先輩、今度私とデートしてください
どこか行きたいところありますか?」


「いや、だからそれは嫌だって言ってんだろ」


「嫌かどうかは聞いてないです
行きたいところ聞いてるんです」


「俺の話は無視かよ!!」


そのうち二宮さんと色々と話をつけないと行けない気がするな



結局今日は二宮さんに追いかけられて一緒に帰った


何回も言い寄られてるけどこれだけは断らないといけないな





そして次の日


俺は恐る恐るだけど学校に行く


昨日だいぶ酷い逃げ方したからな俺は


湯山と水瀬はともかく手島にはどんな顔をしてあえばいいかわからない



相当怒ってたもんな……


今度会った時はボコボコにされるかもしれない


そんな覚悟をしていたけど


「あ、」


「………」


昇降口で偶然手島に会ってしまった



「ああああ!手島!昨日はごめんな
俺、この間ひまわりに会えなくてさ!」


「……私の方こそ悪かったわよ」


「……え?」


思ってた反応と違って驚く


「私、別にあんたが憎くて言ったわけじゃないから
これでも私はあんたを心配してんの」


「……手島…」


手島の意外な言葉が俺の心に響く


でもだからこそ…申し訳ない


なんでこんなにひまわりに会うのが怖いと思ったのかはわからない


北谷と一緒に出掛けるだけで俺はなんでイライラして、勝手に無理だと決めつけたんだろう



そういや、あの二人は前からクラス委員で仲良かった


今でもクラス委員で仲良くやってるだろう


それに、夏祭りの日だって一緒だったし


………俺の事、嫌になって北谷の方に行ったのかな…





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