風になびく君の髪
湯山は図書委員のため立派な机と椅子のある受付に座っている
外側からは見えないから俺は机の下に隠してもらってるところだ
いや、でも股の間??
太もも??
や、やわら……
いやいやいやいや!!!しっかりしろ俺!!
正気を保つんだ!!
湯山の股の間の匂いなど嗅ぐなよ!?
「ああーじゃあ大丈夫でーす」
二宮さんはそのまま帰って行った
「もういいよー」
「あああああーー!!!!!」
俺は湯山の太ももから脱出した
「お前な!!なんで太ももに俺を隠すんだよ!!」
俺は思い切り湯山に怒鳴りつけるが
「あーら、助けたのに随分態度でかいじゃない??
ありがとうの一言でも欲しいんだけど?」
「くっ!どうもありがとう」
「どういたしましてー」
湯山はニッコリと笑う
にしても助かったのは本当のことだからなー
「モテモテだねー光井」
今もバカにしたような笑顔で俺を見る
「うるせーな、ほっとけ!」
俺は湯山を突き放すが
「色男の光井にあたしからもお願いがあるんだけどさー」
湯山は今でもいたずらをしそうな笑みを浮かべて
「この後あたしとデートしない?」
「………は?」
俺は湯山のわけのわからない言い草に思わずまぬけた声が出る
何言ってんだこいつ?
「お前、俺を気にかけるのはいいけど
気にしなくてもいいんだぞ?」
と俺は一応気を使う
しかし湯山は
「ばかねーあんただけが悩んでると思ったら大間違いだよ」
「なんだ?湯山に悩みなんてあんのか?」
「あのねーあたしも一応乙女なの
ちょっと付き合いなさいよ」
湯山に限ってそんなことあるんだなー
珍しそうだから行ってやるかー