風になびく君の髪
とりあえず俺は湯山とどこかに行くことになった
どこ行くかはわからないけど
「結局今日はどこに行くんだ?」
俺が湯山に聞くと
「んーーー大声出したいしカラオケでも行こうか」
カラオケか、ひまわりとは家族みんなで行った覚えがあるな
あいつは音痴すぎて聞くに絶えなかったけど
湯山と一緒にカラオケに入る
「結構狭いな」
「まあそりゃ男女2人でカラオケに来るんだから
狭い部屋の方がいいって店員さんは思うでしょ?」
湯山は悟った顔をして俺を見る
「……ど、どういうこと?」
俺は恐る恐る聞く
「つまり、カップルに見られてるってこと」
湯山にそう言われた瞬間
俺は少し胸がドキドキしてくる
こ、こいつ、いつも本気なのか冗談なのかわかんねーんだよな
「お、おい、いつもの冗談だよな?」
「あはは、冗談は冗談だけどさ
男女2人が密室で誰にも見られない
この状況で光井はドキドキする?」
【ギクッ!!】
図星の俺はとりあえず辺りを見渡す
湯山のことだ、多分これも冗談
だけど、最近のこいつの行動は冗談なのか?
この前も俺の家に急に来てたし
妙に俺の肩を持ってくれる
こいつの悩みって……