風になびく君の髪






【ザシュ!!!!】


「………!!!」


俺は考え事をしているうちに俺の机に果物ナイフが突き刺さる


「いいか、光井、確かに高校生活部活に勉強、友情、恋愛、
どれをとっても輝かしい思い出になるだろう
しかしな、我々人間は1年を追うごとに進化しないといけない人種だ
あいにく貴様の考えるような甘酸っぱい高校生活でいるのも今ではない
肝に銘じとけ」


「は、はい」


奥村先生が何やら気合いの入った筆圧で黒板に文字を書く


「去年はB組が最優秀賞を獲得した
こんなことを言うのもなんだが私が請け負ったクラスだ
あの時はクラス委員が全員をまとめあげたから獲得出来たものだと思っている
そこでだ、よりチームワークを必要とされる高難易度のものを作り上げよう」


奥村先生が黒板に書いた文字は


【劇!!】


と書かれている


まだ7月ではあるが文化祭の話をしている


時期的に早いんじゃないかと思うけどどうなんだろ?


そんなことを思ってると


後ろの席の水瀬の声がボソッと聞こえる


「光井君、面白い話するね」


「ん?」


「奥村先生ね、この5年間文化祭の企画を提案したら全部評判が悪かったらしくて
去年最優秀賞取れたのがよっぽど嬉しかったのか今年は気合い入れて早い時期に文化祭の出し物の準備するらしいよ」


「そうなの??気合い入ってんなー」


「ね、奥村先生ってああ見えて人間味があって面白いよね」



確かに奥村先生は魚が釣れなくて夜まで釣りをしたり


思い出作りに女子部屋入れてくれたり意外と人なんだよなー


「…………」ギロッ!!!


「う!」


奥村先生に睨まれてる気が……


これ以上何か思うのもやめよう





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