風になびく君の髪





俺は嫌だ


そう言いたかったはず


でも心どこかでひまわりと北谷はうまくやってるのかもと思ってしまう


そう思うと自分の気持ちを言うことが出来なかった


「お、おめでとう」


「…………」


俺がそう言うとひまわりは立ち上がる


「ふーまはさ、私に書いてくれた"手紙"、本当に覚えてないの?」


「……手紙?」


そういや前にも手紙の話したことあったような…



でも……それは覚えてない


だいぶ前に書いた手紙なら尚更覚えてない


「覚えてないならいい」


ひまわりはそのまま店を出る


またひまわりのあの悲しげな表情を見る


昨日も思ったばかりだけど


俺はひまわりを何回も傷つけている


俺はどこまでも不器用で


どこまでも素直じゃない


こんな俺をひまわりが好きになってくれたこと自体が不思議だ



でも、俺がどう思ってても無理なのかな………






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