風になびく君の髪
22章【問いと答えの髪】





あれから月日が経ち


夏休みに入ってしまった


今年は特に変化があった年かもしれない


まず夏祭りには行かないってこと


雪乃は中学の同級生と行くらしい


そしてひまわりは行くかどうかは知らない


でも、多分北谷と行ってる


俺は行く予定はあったっちゃあった


何も隠すことは無い

去年も隠してたんだから


また今年も水瀬に夏祭りに行こうって誘われたんだ


でも俺は断った


なんでかって理由はそれしかない



ひまわりが気になって仕方ないから



水瀬から誘われた時はもちろん嬉しかった


けど…俺はひまわりじゃないと……






ひまわりと会うのは簡単だ


隣の家に住んでるんだからな


でも俺は怖かった


ひまわりが俺を見る目が変わるあの瞬間


何度も傷つけてしまったと自覚するあの瞬間が今でも怖い


だから夏休みは会いに行かなかった


ひまわりの誕生日でさえ俺は何もやらなかった


いや、何も出来なかったの方が正しいか


ひまわりの誕生日の日は


北谷がひまわりの家に来てるところを見たから


結局あの二人が付き合ってるかどうかは教えてもらえなかったけど


俺はあの二人を邪魔するようなことをする勇気もなかった


これが小心者の俺のやり方だった


本当に情けないなー




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