風になびく君の髪






私は財布からある1枚の紙を取り出す


幼稚園の頃ふーまから貰った手紙


あの頃のふーまは私のことをひまちゃんって呼んでた


今は呼び方は違うけどふーまは私のことどう思ってるのかな?


またこの手紙の時みたいに


私のことずっと大事に思ってくれてるのかな?


そう思うと、私の部屋の窓越しにふーまが居ることを意識する


今はカーテンを閉めてるけどちょっと前までは開けてた


中学2年生の頃にふーまが私の部屋から私が泣いてるのを見てくれたから


それでLINEを送ってくれたのが嬉しかったからいつも開けてた


今は……閉めてるからわかんないよね


「……ふーま…」



私は泣いてしまう


手に握ったふーまの手紙が恋しくなって


窓越しのふーまに会いたくなって


私はまたふーまを求めてしまっていた



「……戸塚さん?」


「………!?」


後ろから北谷くんの声が聞こえた


やばい…泣いてるのバレる




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