風になびく君の髪
北谷はまっすぐ俺の目を見て言った
「………そうなんだ」
わかりきっていたことだ
しかし北谷本人から言われると少し背徳感のようなものが押し寄せてくる
「戸塚さんを1度でも悲しい顔をさせる人は許せない…
僕なら戸塚さんを傷つけるようなことはしない
君は1度でも戸塚さんを傷つけたんだ
僕は君の事が許せない……そう思ってたけど
僕が戸塚さんを傷つけないんじゃない
戸塚さんは僕じゃ傷つかないんだ
君は僕では触れることの出来ない戸塚さんの心に触れている
だから傷つけれるんだ」
北谷から言われた言葉が槍のように刺さる
ひまわりの心に触れられる……
そうかもしれない……
ひまわりは俺には怒る俺の前で泣く俺には駄々をこねる
誰も知らないであろうひまわりを俺は知っている
ひまわりにビンタされた人って俺だけなんだろうな
「わかってる…俺ももう覚悟を決めたよ」
俺も北谷に負けじとまっすぐ目を見る
「俺もひまわりが好きだ」
俺が何度も自分の中で問い続けていた答えが今やっとわかった
だから胸を張って言える
俺はひまわりが好きだ
この世の誰にも負けないくらい
ひまわりが好きだ