風になびく君の髪
24章【文化祭と不服の髪】




文化祭まで残り2週間


「私……彼氏が出来たの…」


水瀬に言われた一言だった


「……………」


俺は何も思わないと言ったら嘘になる


「………なんで」


「1個上の先輩に告白されたの」


「……そんだけ?」


「え、うん、そんだけ」


「………いいんじゃねえの?
付き合えば?」



俺は感情のままに言った




「はいカットー!!」


湯山が一旦区切る


「いいぞー!いい感じだー!
燃えてきたねー!遥香も風香になってきた!」


よし!本番2週間前にしてこの評価!


そう、今は文化祭の劇に向けて演技をしているところだ


水瀬に彼氏が出来たかどうかはしらないけど風香に彼氏が出来たのはシナリオ通りだ



「先生、病室のベットってもう出来上がります?」


湯山が奥村先生に言う


「任せろ、今やる」


奥村先生は口に釘を咥えて


右手にはトンカチを持っている


そして



「ブーーーッ!!!!!!」



【ガン!ガン!ガン!】


奥村先生が咥えていた釘を息で吹き飛ばしそのまま木材の奥まで刺さる


どんな技だよ!!


トンカチ必要ないじゃねーか!!


「さっすがー
よし、じゃあこのままやろう!」





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