風になびく君の髪






文化祭の準備が着々と進む


劇の背景は主に学校と病院の為特に病院の背景に拘るようだった



奥村先生
「西野、白いカーテンをここに張れ
千代田は千羽鶴をひたすら折れ
井口はここにメスを並べろ」


メスはいらないんじゃ……


【ザシュ!!!】


「ひ!!!」


俺の足元にメスが飛んでくる


奥村
「揚げ足取る前にセリフを覚えろ」


だからなんで心の声がわかるんだよー!!


前のお化け屋敷の時はみんなで案を出してたけど


今年はほぼ湯山のシナリオに沿ってやってる


あいつが監督と呼ばれる日もそう遠くはないかもしれない


冗談はさておき


ひまわりのクラスもちょっと覗いてこようかな



俺は教室を出ようとする


「光井君!」


と言って俺の手首を掴むのは


水瀬だった


「ん?」


「どこにいくの?」


「んーと、他のクラスの様子を見に?」


ひまわりの所って言ったらちょっと怪しいかなと思って遠回しに言った


「私も行っていい?」



「うん、いいよ、行こう」


俺はそのまま水瀬と教室を出た





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