風になびく君の髪
俺と水瀬は2人きりになる
劇で使う小物とかが汚れないようにマットを敷いてるため
そのマットに俺と水瀬は座る
残ろうと言ったのは俺の方なのに特に話すことがない
相変わらず水瀬と2人きりになると気まずい空気になるのはなんなんだろうな
それはいけないわ
「ほ、本番頑張ろうな水瀬」
「……………」
へ、返事なし!?
もしかして怒ってんのか!?
「み、水瀬?」
「ぐぅ〜……ぐぅ〜」
ね、寝てる!?
水瀬は女の子座りをして寝ていた
その寝顔は寝顔でもやっぱり綺麗に見える
また余計に緊張してしまう
「……はぁ」
連日の演技の練習でかなり大変だったもんな
そりゃ寝るわな
そのまま寝かせておくと
「………!!」
体をピクッとさせながら水瀬は起きる
「ごめん!寝てたよね私!?」
慌てる水瀬
「ううん、大丈夫だよ
疲れたよなーもう帰るか?」
と気を使うように俺は言う
「いや、大丈夫だよ!
光井君は疲れてない?」
「俺も大丈夫」
俺は我ながらセリフもシチュエーションも完璧だ
疲れるより余裕って感じだった