風になびく君の髪





「去年の今頃はみんなで文化祭の準備してたもんね
今年は何だか雛さんと光井君に付きっきりみたいで逆に楽しいなー」


「そうだな、劇とかしたことなかったしな」


「うん、全部初めてのことで嬉しい」


俺と水瀬が初めて会ったのは中学の時だったけど


まさかこんなに仲良くなるとは思わなかったな


もし俺と水瀬がひまわり無しで出会ってたらどうだったんだろう?


それも何回も考えたことがあったけど


今ひとつこれといった答えが出てこない


「……これもひまわりさんのおかげなのかな?」


水瀬が落ち着いた声で言っていた


「……なんで?」


俺が聞くと


「去年、私がひまわりさん達と会ってなかったら
誰と仲良くなってたんだろうって考えたことあるの
雛さんとかしずくさんとかは私とはかけ離れてるくらい元気だし北谷君もあんまり喋らなそうだし」


まあ確かに、ひまわりと話してたおかげでクラスの他の生徒たちにも話しかけられることが多くなったしな


誰かと話せば自然と誰かが誰かに興味を持つ


そうやって人との関わり方が出来てるんだなって高校生になって初めてわかった





< 527 / 589 >

この作品をシェア

pagetop