風になびく君の髪
水瀬から信じ難い言葉が飛び交う
………なんだって?
「……ごめんね、何言ってんだろ私
め、迷惑だよね?」
そう言って髪の毛を耳に掛ける仕草は
水瀬に恋をした時と同じくらい綺麗に見えた
「め、迷惑なんてそんな事ないぞ」
「ううん、迷惑だよね?」
水瀬は俺に気を使うような言葉遣いで言う
……迷惑……ではないけど
信じられない
今までずっと憧れていた水瀬から好きと言われて
迷惑だなんて思えない
でも今の俺には
やっぱりひまわりが1番だ
ひまわりが悲しむような返事はしたくない
「……俺らは、友達だよ」
水瀬が傷つくことを覚悟で言った
「………そうだよね」
水瀬は立ち上がって
両手を広げた
「私……もう壊れそうだよ…
助けて…光井君……」
水瀬は泣きながら俺に言った
この両手はきっと
花瓶が降ってきた時に俺が抱きしめてしまったからだろう
助ける…?
その行為は今の俺がしたら……
「……ごめん、水瀬……
俺…ひまわりのことが」
「知ってるよ、わかってるよ私にだって
……でも、私は光井君が居たから…
光井君が助けてくれたから今もここに居られるんだと思ってるよ?
……私は…光井君が居たから……」
涙が止まらない水瀬
俺は何も出来ないでいた