風になびく君の髪
そんな時だった
「ふーま?」
また教室の外からひまわりの声がした
【ビクッ!!】
俺は今度こそはやばいと思って動揺した
「ど、どうしたの?」
水瀬が泣いている
この状況でひまわりは戸惑いを隠せてないみたいだ
「あ、ああ!ひまわり!実は劇で泣きのシーンがあるんだけど水瀬の演技が凄すぎてこんなに涙がーー!
で?どうした?」
俺はわざと話を逸らした
するとひまわりは
「いい感じに猫カフェ出来たからふーまに見てもらおうと思ってて
でもお取り込み中ならいいよ?」
「あ、ああーそれなら後で見に行くからー!」
俺がそう言うと
「光井君、私もう大丈夫だからいいよ?」
水瀬が俺に言う
「……そう?」
「うん」
俺は水瀬の言葉をそのまま受け止めて
ひまわりのクラスの猫カフェを少し覗いた
あんなに見たかったひまわりのコスプレだったけど
正直内容が入ってこないくらい
水瀬の言葉が信じ難かった
俺は本当にバカな人間だと思う
ひまわりが大事だと思って今を生きてる
でも今日水瀬とあったことはひまわりには言えない
水瀬はもしかしたら後ろめたくなってひまわりと話せなくなりそうだから
俺からは何も言えない
次の日
朝起きてリビングに行く
すると早速
「ふーまーおはよー!」
テーブルにひまわりが座っていた
当たり前のようにいるのは昔からそうだ
「おはよー」
俺はひまわりに挨拶を返す
何故か笑顔になれない俺は隠れるようにトイレに逃げた
……そうだ、昨日は水瀬にあんなこと言われたから……
正直に言うべきか…言わないべきか……
ひまわりの性格上言った方がいいんだろうけど
水瀬が気を使って離れていくような気がする
まあでもあれだな、これも文化祭が落ち着いたらにしよう
ひまわりには言った方がいいと思うしな
何も浮気みたいなことはしてないわけだし