風になびく君の髪





ひまわりと一緒に学校に行く



「ふーま何時から劇だっけ?」


「15時からだよ」


「おー!じゃあ12時から私が休憩で回れるから
その時に一緒に回ろうね」


「そうだな」


俺は何も考えずにひまわりの話を聞く


「ちゃんと聞いてる?」


ひまわりがそう言うと俺は少し慌てて


「あ、ああ!聞いてるよ!
12時からだろ?」


「うん、だからその前に私のクラスにも遊びに来てね?」


「もちろんだよコスプレ大好きなんだから」


「結構前から思ってたけどコスプレって言うのやめない?」


「あれ?コスプレじゃないの?」


「そうだけどなんかキモイ」


「キモイってなんだお前!はっ倒すぞ!」


コスプレはコスプレだろうが!!






俺のキレ芸にひまわりがキャッキャと笑ってる最中

「そういえばふーま、セリフとかは覚えたの?」


とひまわりが聞いてくる


「完璧!!」


「さすがじゃん!」


湯山の演技指導のおかげもあってやっと覚えられたしな


準備もかなり大変だった


あとは本番を迎えるだけだ


「楽しみだなーふーまと遥香ちゃん主演の劇!」


「おう!楽しみにしといてくれ!」


ひまわりはニコッと笑う


よかった、昨日のこと何も勘づいてないみたいだな


ひまわりのやつ結構鋭いからな


「ところでふーま、昨日遥香ちゃん大丈夫だったの?」


【ギクッ!!!】


安心した矢先だった


「あ、ああ!別になんの問題もなかったぞ?」


俺はとっさに適当に返す


「そっか!じゃあ私から一つ言わせてもらうね」


ひまわりは俺を後ろから抱きしめてくる


「……ひまわり?」


「……ふーまは誰にも言わないで自己解決する癖があるから
私にはなんでも言ってね」


そう言ってひまわりは俺を抱きしめる腕を強くしていた


俺は一人じゃない


今はひまわりがいるから大丈夫


「文化祭終わったら話すよ
それまでは文化祭のことだけを考えよう」


俺がそう言うとひまわりは腕を離して


「うん!待ってるね」


また横に並んできた



ひまわりも俺を信じてくれているみたいだ


これで何事もなく文化祭が終わってくれるだろう





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