風になびく君の髪






俺は学校に着いて教室に行く


「おーい!光井!衣装渡すから来てー」



早速湯山が張り切っている様子だ


「水瀬は?」


「遥香も着替えてるよ」


「そっか」


昨日のこともあったし普通に接したいんだけど今は居ないか


制服はそのままいつもの制服だけど


劇で使う私服は湯山の私物というか弟のらしい


そこまでこだわって服も選んでるあたり湯山はやっぱ本気なんだなと感心してしまう


そしてしばらくすると


「……雛さん、着れたよ」


水瀬が着替えから帰ってきた


見てみると


普通のスウェットのズボンとパーカーだけど


華奢な体の水瀬にぴったりだった


「おーー病人っぽいなー」


「は、恥ずかしいなー」


かなり似合ってる


「すげー似合ってるぞ、水瀬」



俺がそう言うと


水瀬は俯いて目を合わせない


……あれ?


いや、でもそうだよな…昨日あんなことがあったから……


どっかのタイミングで話さないとダメだ




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