風になびく君の髪





ここから先はあまり覚えていない


でも多分何事もなく終わったと思う


拍手に包まれる会場には涙を流してる人達がいる


俺は水瀬と並んでステージからはける


「お、おつかれ」


顔が青ざめていた湯山


何が言いたいかはわかる


「遥香…なんで本当にキスした?」


湯山が水瀬に聞く


「……わかんない」


水瀬はそう言ってさっさと体育館を出た


……なんでだよ


説明は……


ひまわりになんて言えばいいんだ?


奥村先生も少し気を使ってるのか何も話してこない


「ふーま……」


いまだに信じられないと言ったような表情のひまわりが体育館の外で出迎える


他の人は何かを察したのかすぐに出ていきひまわりと二人きりになる


「……何があったの?」


ひまわりは涙を溜めて俺に聞いた


その表情を見ると俺は後ろめたくなる


「……わからない」


「わからないってなに!?」


ひまわりはまた前みたいに怒鳴るように俺に言った


「もう終わったじゃん…文化祭
話してよ」


「俺にもわかんないんだよ」


「何があったか話してって聞いてんの!」


「俺に聞かないでくれよ!」


「…………」


俺が勢いよく言うとひまわりは黙った


「ごめんな…しばらく1人になるわ」


「ちょっとふーま!」



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