風になびく君の髪





「それはいい、私が主任に怒られるだけだから水瀬は気にするな
主任にはチョークスリーパーで絞めて記憶を失わせるのがちょうどいい」


「そこまでしなくても……」


1人になりたいと思ってたけど


奥村先生のツッコミどころ満載な話聞いてるとちょっと気持ちが軽くなってきた気がする


「しかしな、水瀬」


「はい?」


「お前は自信を持った方がいい」


「……自信?」


「そうだ、貴様は自信がなさすぎる
自分が小さい人間だと思うのか?」



「……思います」


「謙虚なのと自信がないのとでは紙一重に違う
貴様はもっと友達に本音を言え
自分を失うことを考えるな
失いたくないものだけを考えろ」


……失いたくないもの…


私はパッと出てきた


光井君だけじゃない


いつも一緒に居たみんなが出てくる


光井君とひまわりさんが仲直りして欲しかったのは本音だった


私はあの二人も含めて、私の人生では必要な存在なの


じゃあ今から何をするべきなんだろう


「お前は、もっと人に頼っていいんだよ」


奥村先生の言葉が私の胸にジンジンと染み付く


「……ありがとうございます」


私は奥村先生にお礼を言って


走ってある人のところに向かった





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