風になびく君の髪






「さてと、私ふーまのこと探してくるから
遥香ちゃんは文化祭楽しんでおいで」


「……うん」


楽しめないよ…



ひまわりさんが走ってどこかに居なくなる


明るくて誰にでも優しくて、みんなを楽しく巻き込む向日葵の花のよう


私はひまわりさんに勝てるところがひとつもない


ただ真っ直ぐに光井君の事が好きで


怒る時とか言わなきゃいけないことはハッキリ言える


私がひまわりさんに光井君のことどう思ってるかを聞かれた時、


私が逃げた時点でひまわりさんに負けていたのかもしれない


いや、もっとそれ以前に


ひまわりさんは光井君のことが好きで光井君もひまわりさんのことが好きだとしたら


やっぱり私ではなかったのかもしれない


「……水瀬さん?大丈夫?」





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