風になびく君の髪
私の後ろから声が聞こえる
「……北谷君?」
北谷君が居た
猫の格好だけどどうしたんだろ?
「さっき戸塚さんが居た?」
「……うん、居たよ」
「……僕達の恋は終わったんだね」
北谷君がそう言った時
私は全部理解した
北谷君もひまわりさんに告白したのかな?
「すごくいい恋だった」
私も北谷君に言う
「ところで水瀬さん、戸塚さんの名前でもある"ひまわり"って一体どういう花なの?」
北谷君が私に聞く
ひまわりさんはその名前の通りの人だった
私も花言葉のように
私という存在に意味がある人になりたい
私はひまわりさんっていう存在に意味がある人に"憧れ"てるよ
「向日葵の花言葉はね」
【憧れ、あなただけを見つめてる】
ひまわりさんは光井君のことだけを見つめていた
みんなを尊敬できるくらいにみんなを"憧れ"にしてまた魅力を作っている
私にはとてもじゃないけどひまわりさんには敵わない
ひまわりさんと光井君は元々好きになる運命で
私と光井くんの出会いは黄色いチューリップのある中庭だったから
結ばれないのかな……?
黄色いチューリップの花言葉は
【望みのない恋】
元々私と光井君はそういう運命だったのかもしれない