風になびく君の髪






私の後ろから声が聞こえる


「……北谷君?」


北谷君が居た


猫の格好だけどどうしたんだろ?


「さっき戸塚さんが居た?」


「……うん、居たよ」


「……僕達の恋は終わったんだね」


北谷君がそう言った時


私は全部理解した


北谷君もひまわりさんに告白したのかな?


「すごくいい恋だった」


私も北谷君に言う


「ところで水瀬さん、戸塚さんの名前でもある"ひまわり"って一体どういう花なの?」


北谷君が私に聞く


ひまわりさんはその名前の通りの人だった


私も花言葉のように


私という存在に意味がある人になりたい


私はひまわりさんっていう存在に意味がある人に"憧れ"てるよ


「向日葵の花言葉はね」


【憧れ、あなただけを見つめてる】





ひまわりさんは光井君のことだけを見つめていた


みんなを尊敬できるくらいにみんなを"憧れ"にしてまた魅力を作っている


私にはとてもじゃないけどひまわりさんには敵わない


ひまわりさんと光井君は元々好きになる運命で


私と光井くんの出会いは黄色いチューリップのある中庭だったから


結ばれないのかな……?



黄色いチューリップの花言葉は


【望みのない恋】



元々私と光井君はそういう運命だったのかもしれない





< 557 / 589 >

この作品をシェア

pagetop