風になびく君の髪






俺はひまわりに何が言いたいか……


これしか浮かばない


「……ごめんひまわり、やっぱ俺ってダメな人間だ」


俺がそう言うと


「なんで?」


ひまわりが優しく聞く


「俺、水瀬に告白されたんだ
………元々水瀬のこと好きだと思ってた
……けど、やっぱりひまわりが好きで、離れたくなくて
水瀬にもそう伝えたんだよ……
俺らは友達になりたいってね
でも伝わらなかった
俺だけが一方的に友達になろうとしてた
水瀬に伝わらないまま劇をやったからこうなったんだ……
またひまわりを傷つけて、また水瀬を傷つけて…
俺……最低だよ…」


俺は自分を責めるあまり涙が出てきた


ひまわりも水瀬もみんなが幸せでいて欲しい


ただそれだけなのに何も出来ない


ひまわりみたいに人を巻き込むことは出来ない


「俺、こんなんだけど、ひまわりとずっと一緒に居ていいのかな……
傷つけることしか出来ないこんな俺が……」



「そんなふーまが好きだよ」


「…………」


俺はひまわりの言葉が胸に刺さる


「ふーまは人の事を真剣に考えれる人なんだよ
誰にでもそうだよ、ふーまは気付いてないかもしれないけど
ふーまが人のために何か行動出来る人だからみんなふーまのこと好きになるの
優しいふーまが大好きなの
素敵な人だよふーまは」


ひまわりの透き通るような声が


言葉が俺の涙を余計に流させる


俺は思わずひまわりを抱き寄せて


キスをする


暖かくて柔らかいひまわりの唇は


俺の乾いた心を潤してくれるようだった





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