風になびく君の髪






トンネルの中を出ると


ひまわりは俺の両手を掴んでくる


「遥香ちゃんとも話は出来たから私はもう大丈夫だよ」


ひまわりはそう言って親指を立てた


は、早すぎねーか?


「ふーま、遥香ちゃんにちゃんと正直に私がいいって言ってくれたらしいじゃん?」



「ま、まあな!」


「ふーまのこと幸せにします」


「だ、だから逆だろって、嬉しいけど」


「あはは!」


ひまわりが笑った瞬間だった


【ビューン!!】


風が吹いてひまわりの髪が揺れる


「………」


風になびくひまわりの髪は誰よりも美しくて


どこの誰よりも愛おしかった


「…ん?なに?」


ひまわりに見とれてるのがバレる


「ああ!あのさ!ひまわり
俺に何か嫌なところがあったらすぐに言ってくれよ?
そしたら俺はひまわりのために直すからさ」


俺がそう言うと


ひまわりは顔を横に振った


「変わらないで、そのままのふーまが好き」


「…………」


ひまわりと俺はこんなんだけどこうじゃないと俺ららしくない


ひまわりには感謝してもしきれないほどの思い出がある


こんな俺を、どうしようもないくらい鈍感な俺を


平気でひまわりを傷つける俺を


好きで居続けてくれてありがとう


俺もひまわりのこと


一生幸せにするからな



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