風になびく君の髪






教室の中では


「お、お、お、っく!ひっく!お、お前ら
ほ、ほんっとっに、っく!ひっ!
おめっでっとー!!」


奥村先生が泣きながら皆に言っていた


大の大人がこんなに泣くなんて……


と思ってたけど


この高校生活、色んなことがありまくったもんな


結局奥村先生は3年間担任だったしな



「先生!写真撮りましょうよ!」


奥村
「……いいだろう」


みんなで写真を撮ると奥村先生


満面の笑顔だった


集合写真でさえ真顔だったのにこんなに笑う!?


卒業式の力ってすげーなー


よし、じゃあもうそろそろ


「………」グスンッ


何となくひまわりの顔を見てると


な、泣いてる?


「ひまわり?」


「………うぅ〜〜!みんなぁぁ〜〜〜〜!」


ひまわりは俺と北谷と水瀬と湯山と手島をひとまとめにして抱きついた



「なーにー?ひまわりー?寂しいの?」


ひまわり
「寂しいに決まってるじゃん〜!
明日も学校行こうよ〜!」


しずく
「明日はもう学校ないの
卒業旅行一緒に行くじゃん?」


ひまわり
「違うよ〜!学校がいいの〜!
学校でみんなに会いたい〜!」


風馬
「わがままだな」


ひまわり
「わがままじゃない!
このまま悠々自適に過ごすー!」


北谷
「戸塚さん…いつの間に難しい日本語覚えたの?」


ひまわり
「ちゃんと勉強するからもうちょっと学校行かせて〜!」


遥香
「ひまわりさん、みんなひまわりさんのこと大好きだよ?」


ひまわり
「私の方が好きだよ〜!!」




< 569 / 589 >

この作品をシェア

pagetop