最低で最高のホワイトデーを
そう送るとまたすぐに既読がついた。そして、次に送られてきた言葉に絶望する。

「母さんが言ってた。生理痛が重いのって子どもが産めない病気か、遊んでいたからなんだってさ」

勝理くん、こんなことを言う人だったの?医大生だから私のこと、わかってくれるって信じていたのに……。

お腹の痛み、吐き気、頭痛、腰痛、それにプラスして心の痛みが新たに走り、目に涙が滲む。もう何が痛くて泣いているのかわからない。その時。

「希、入るよ」

優しい声が聞こえ、ガチャリとドアを開ける音が耳に入る。そして私のお腹に涼ちゃんが手を当て、優しくさすってくれる。

「涼ちゃん……何で……」

涼ちゃんが優しくさすってくれるおかげで、痛みが少し和らぐような気がした。痛みに顔を顰めながら訊ねると、涼ちゃんは優しく微笑んで言う。

「希のお母さんから連絡が来てね。力になれたらなと思って」

「ごめんね……」

「いいよ、謝る必要なんてないよ」

さっき、勝理くんに傷付けられたからか、涼ちゃんの言葉に泣きそうになる。今度は悲しくてじゃなく、嬉しくて。
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