最低で最高のホワイトデーを
生理が来るたびに苦しむ私を見て、涼ちゃんは生理痛対策をたくさん勉強して、私が生理になるたびに家に来て看病?してくれるようになった。涼ちゃんを信頼して、お母さんも涼ちゃんに任せている。

「ちょっと待っててね」

涼ちゃんはそう言い、かばんから「じゃ〜ん」と言いながらアロマを取り出す。ラベンダーの香りのものだ。

「アロマでリラックスすると、生理痛を和らげることができるんだって。ラベンダーの香りが効果的って書いてあったから、買ってみたよ」

「あ、ありがとう……」

涼ちゃんがアロマをつけると、部屋に少しずつラベンダーの香りが広がっていく。目を閉じているとラベンダー畑にいるみたいで、心地いい。

「薬はもう飲んだ?」

涼ちゃんに訊かれ、私は「うん」とゆっくり頷く。ちなみに涼ちゃんは、生理痛に効くというツボを押してくれているところ。ちょっと痛いけど、効果があるような気がする。

「痛みが落ち着いてきたら、ココアを持ってくるね。その後は腰を少し動かしてみようか。腰のストレッチをすると、血流がよくなって痛みが和らぐみたいだから」

「うん」
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