最低で最高のホワイトデーを



辛かった生理が終わった日、今日はホワイトデーだ。バレンタインやクリスマスの次に恋人たちにとっては大切なイベントだろう。

私はスカートを強く握り締め、恋人が楽しそうに行き交う噴水の前で立っていた。この噴水は、勝理くんと初めてのデートの時に待ち合わせに使った場所。ここで全てを終わらせるんだ。

「生理終わったならデートしよ〜。マジ暇〜」

そう昨日LINEが来たので、これはチャンスだと思って涼ちゃんと話して「わかった」とだけ送った。

今日で終わらせるんだから、特別におしゃれをする必要もない。部屋着と変わらないパーカーとジスカート、メイクもグロスを唇に引いただけと、今までのデートなら考えられない格好だ。でも、飾っていないこの姿の方が言いたいことは言える気がする。

近くには涼ちゃんが待機してくれている、大丈夫。そう心を落ち着かせること十五分。待ち合わせ時間から二十分近く遅れて勝理くんがやってきた。

「ごめんごめん、徹夜してたら寝坊したわ」
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