最低で最高のホワイトデーを
涼ちゃんの友達に探偵事務所で働いている人がいて、その人にに涼ちゃんが頼んで勝理くんのことを調べてもらったらしい。すると、色んな人とデートをしている写真や、私のことを馬鹿にする音声など、言い逃れのできない証拠が次々に取れた。

「あなたみたいな人とはもう付き合っていけません。別れましょう。あなたも私のことが嫌いみたいですし」

私は貰ったマシュマロを返す。マシュマロには「あなたのことが嫌い」という意味が込められているってこと、勝理くんは知らなかったのかしら?

「ま、待ってくれよ!魔がさしただけで本命はお前なんだ……」

勝理くんが慌てたような顔をし、私の手を掴む。強く掴まれているためとても痛い。でも、勝理くんが手を緩めてくれる気配はゼロだ。

「俺さ、お前と付き合ってること親に言ったんだよ!そしたら、親が「未来のお嫁さんだ」って喜んじゃってさ。なあ、将来俺は医者になる男だぞ?ルックスもいいし、こんな優良物件捨ててどうするんだよ?後悔するぞ?」

「い、痛い!離して!」

勝理くんが怖い。掴まれている腕が痛い。周りは見て見ぬ振り。でも、私にはいつだって私を助けてくれる人がいる。
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