最低で最高のホワイトデーを
「凉ちゃん……」
私を心配そうな目で見ているのは、幼なじみの村竹涼真(むらたけりょうま)。家が近所で小学校から大学までずっと一緒だ。親同士も仲がよくて、小さい頃は「大きくなったら結婚しようね!」なんて可愛い約束をした。
「彼氏にデート断られたの?」
涼ちゃんはいつも、私が何も言わなくても落ち込んでいる原因を見つけてくれる。そして、私がしてほしいことをしてくれるんだ。
「よしよし、泣いてもいいよ」
今も、優しく頭を撫でてくれる。私が泣きながら抱き着くと、涼ちゃんは何も言わずに優しく抱き締め返してくれた。
「涼ちゃんは何でここにいるの?」
少し落ち着いた後、私は涼ちゃんから離れて訊ねる。でも真っ赤に腫れた目は見られたくないので俯いてるけど。
「俺、この近くの店でアルバイトしてるんだ。家に帰ろうと思ったら希が泣きそうな顔してたから、また彼氏かなと思って……」
「また」、涼ちゃんのその言葉が突き刺さる。勝理くんのデートのキャンセルはこれが初めてじゃない。こんなこと、しょっちゅうだ。私も生理痛でキャンセルすることがあるけど、勝理くんから断られることの方が多い。
私を心配そうな目で見ているのは、幼なじみの村竹涼真(むらたけりょうま)。家が近所で小学校から大学までずっと一緒だ。親同士も仲がよくて、小さい頃は「大きくなったら結婚しようね!」なんて可愛い約束をした。
「彼氏にデート断られたの?」
涼ちゃんはいつも、私が何も言わなくても落ち込んでいる原因を見つけてくれる。そして、私がしてほしいことをしてくれるんだ。
「よしよし、泣いてもいいよ」
今も、優しく頭を撫でてくれる。私が泣きながら抱き着くと、涼ちゃんは何も言わずに優しく抱き締め返してくれた。
「涼ちゃんは何でここにいるの?」
少し落ち着いた後、私は涼ちゃんから離れて訊ねる。でも真っ赤に腫れた目は見られたくないので俯いてるけど。
「俺、この近くの店でアルバイトしてるんだ。家に帰ろうと思ったら希が泣きそうな顔してたから、また彼氏かなと思って……」
「また」、涼ちゃんのその言葉が突き刺さる。勝理くんのデートのキャンセルはこれが初めてじゃない。こんなこと、しょっちゅうだ。私も生理痛でキャンセルすることがあるけど、勝理くんから断られることの方が多い。