帝王と私
そのまま彼に、しっかり抱き締められて眠った。
キングサイズの大きなベットなのに、真ん中にぴったりくっついて横になっている。
それが、なんかおかしい。

「ん……」
「弥生、おはよ」
「あ…おはようございま━━━━
ンンン………」
「敬語はなしだよ?」
「あ…ごめんね……」
「フフ…弥生は、寝顔まで可愛いね…!」
「そうかな?だったら、貴将さんはカッコよすぎるよ!」
「ありがと!弥生に言われると嬉しい!」
「フフ…私も貴将さんに、名前呼ばれるの嬉しい。
単純な名前だから、あんまり気に入ってなくて……」
「単純?」
「そう…三月生まれだから“弥生”
単純でしょ?」
「可愛い名前だと思うけどな!」
「そうかな?貴将さんに言われると、そんな感じがしてきた」
思わず、笑顔になる。

「可愛い…。
朝からやらしい気分になる……」
「え////」
「朝ごはん食べよ!」
「うん」

テーブルに向かうと、ご馳走が並んでいた。
「好きなだけ食べてね!」
「美味しそう!」
ついパクパク食べてしまった。
ふと見ると、彼が片肘ついて私を見ていた。
「あっごめんなさい!つい…美味しくて……」
「フフ…いいんだよ?でも、幸せそうに食べるんだね!
可愛いなぁ~」
「////恥ずかしい……」
彼の手が私の頬に伸びてくる。

「朝から幸せだな…!これから楽しみだね?
いっぱい愛し合って、幸せになろうね!
よろしくね!弥生」
「こちらこそ。貴将さんにふさわしくなるように頑張るね!」
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